新旧 old and new 2005 12 2

 これは、知人から聞いた話です。
海外旅行で、パリに行った時の話です。
ホテルに到着して、やっと落ち着いた時に、
同行者から、こんなことを言われたそうです。
「最高級なホテルと聞いていたのに、このような古いホテルは、嫌だ」と言うのです。
知人は、古さと伝統は違うと説明したのですが、納得してくれなかったそうです。
そういう人は、パリ中心街から外れたところにある「アメリカン・スタイルのホテル」でないと、
納得してくれないのかもしれないと言っていました。
 実は、同じような経験が、私にもあります。
これは、確か、湯西川温泉に行った時の話です。
宿泊した旅館は、まるで、江戸時代の武家屋敷を移築して建てたような趣でした。
廊下も、大黒柱も、黒光りしていて、見事なものでした。
 しかし、同行者からは、
「こんな古い旅館は嫌だ。川向こうの、新しい鉄筋のホテルがいい」と言われたことがあります。
 日本という国には、二千年以上の歴史があります。
だから、日本人には、古さの中に伝統を感じる能力があると思いますが、
現代では、そうした伝統を感じる能力が失われつつあるかもしれません。
 いつも、新しさを求めて、
建物までも、大量生産、大量消費、使い捨てを求める時代になってしまったのか。


































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